身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
渋滞に巻き込まれることもなく、約束の十時五分前にウミカジテラスへと到着する。
車を駐車して急いでお店へと向かうと、Dai’sはまだ開店準備中だった。
中にマスターの姿がないなと覗いていると、いきなり後方からトントンと肩を叩かれ慌てて振り返った。
「ひゃっ!」
「悪い……驚かせた」
背後に立っていたのは、待ち合わせの相手、晴斗さん。
飛び上がるようなすごい驚き方をしてしまい、焦って姿勢を正す。
「ご、ごめんなさい! 大丈夫です!」
どこか半信半疑な自分もいたのかもしれない。
目の前に現れた晴斗さんを見て、本当に来てくれた……なんて思ってしまう。
ブラックのサマーニットに、細身のデニムパンツというシンプルなカジュアルコーデも、長身の彼が着こなすと様になっていてすごく素敵。
スタイルがいいからなんでも似合うのだろう。