身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「ていうわけで、俺もたまには観光してもいいかなと思ったから来たわけだし、変な気使わなくていいから」

「そうなんですね……わかりました」

「とりあえず、どっか入って、今日どうするか決めるか」

「あ、はい。そうですね」


 晴斗さんの提案でいよいよDai’sの前から離れ、ウミカジテラス内を歩いていく。

 広い背中のあとを緊張しながら付いていき、通りすがる店のガラス窓に映る自分がどこかおかしくないかさり気なくチェックした。

 晴斗さんが「ここでいい?」と訊いたのは、手作りジェラートやアイスキャンディーを売るハワイアンカフェだった。

 海が望める外のテラス席に入ると、アロハシャツを着た外国人のスタッフがすぐにオーダーを取りに来る。


「何にする?」

「えっと……」


 テーブルに置かれたメニューから「じゃあ、これで」とトロピカルアイスティーを指さすと、晴斗さんも「同じのをもう一つ」とスタッフにオーダーした。

 キラキラと水面を光らせる海の上を、航空機が飛んでいく。

 那覇空港を行き来する飛行機を眺められるのも、この瀬長島ウミカジテラスの魅力のひとつだ。

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