身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 沖縄に来て、誰かの運転する助手席に座ることがあるなんて思いもしなかった。

 借りたレンタカーで四日間、自分自身で沖縄県内を運転して移動する予定だったからだ。

 未だにこの状況が信じられず、となりで運転する晴斗さんをちらりと横目で見てしまう。

 まさか、旅先で入ったお店で誰かと交流を持ち、短い滞在中に一緒に過ごすことになるなんて考えもしないことだった。

 今日再び会った晴斗さんは、やはり私が今まで知り合ってきた史上最高の容姿端麗な男性だと改めて思わされた。

 ヒールを履いても見上げてしまう高身長のモデル体型に、綺麗と言っても過言ではない端整な顔立ち。

 こうしてそばにいるといい匂いがしてくるし、無駄にドキドキしてしまう。

 それでいて医者という肩書きがあり、趣味だというピアノはあんなに上手。

 私のような何の取り柄もスペックもない女が知り合える相手ではない。

 これはまさに、沖縄という地が起こした奇跡だ。

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