身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
話しながら、昨日お店で話した時とはずいぶん印象が違うなと思っていた。
もっとクールで無口というか、そういう感じの人だとばかり思っていた。
こうして話してみると、会話しやすくて話しやすい。
フロントガラスの先に続く道路は、広がる青空と近く繋がっているように見える。
沖縄に来てから気を張って運転をしていたから、車窓からの景色をじっと見ている余裕なんてなかった。
慣れない初めての地だから余計にだ。
同じ道路を走っていても、東京では空が近いなんて思うこと今までなかった。
「もうすぐ古宇利大橋だな」
古宇利島へとアクセスする古宇利大橋は、全長約二キロある沖縄で一番長い橋。
左右をサンゴ礁が広がる美しい海に囲まれ、真っすぐ島までの道に繋がっている。
「あそこからが橋ですか?」
前方に見えてきた一本の橋に「すごい……!」と、思わず窓に貼りつく。
透き通った海が広がり、向こうには古宇利島が見えている。
誘われるように窓を開けると、入ってきた風が前髪を躍らせた。