身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「実際に来てみるとすごい景色だな」

「ですね! これぞ沖縄って感じがします」


 絶景を楽しみながら長い橋を渡り切ると、橋のたもとに車を駐車する。

 車を降りると、一気にワクワクする気持ちが盛り上がった。


「島自体を車で回ると一周八キロくらいらしいけど、とりあえず停めちゃって良かったよな?」

「はい、問題ないです!」


 古宇利島に渡ってすぐのビーチには、観光客がところどころに見受けられる。

 ビーチ周辺にはカフェなどのお店も並び賑やかな雰囲気だ。


「ハート型の岩があるビーチは、ここじゃないんですね」

「ああ、それは島の裏のほうだったよな、さっきのガイドブックの地図だと」


 そんな話をしながら歩いていると、並ぶお店の軒先に視線が引き寄せられる。

 親子やカップルが仲良くテラス席につき、手元の作業に真剣な眼差しを送っている。

 その光景に足まで止められてしまい、晴斗さんが「どうした?」と声をかけてきた。

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