身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「お姉ちゃん……どっちの選択をしても、私ひとりでも大丈夫なの? ひとりでできる?」

「それは、大丈夫だけど……いろいろな事情があってママだけで堕胎する人も、出産する人もいるから」

「そう……」


 それなら、どちらにしても自分ひとりで全てを決めようと思う。

 晴斗さんには、知らせない。


「ねえ、佑杏」

「ん……?」


 私を呼んだお姉ちゃんは、一瞬言うか言うまいか迷いを見せる。

 しかし私の視線を受け、微笑と共に口を開いた。


「その相手の人に、本当は会いたいとは思ってないの?」

「え……?」

「短い時間だったのかもしれないけど、好意を持ったからじゃないのかなって。佑杏は、そういう子だと思うから」


 お姉ちゃんは、これまで私が軽い気持ちで一線を越えたことはないとよく知っている。

 だから今回も、気持ちがあって、その上で受け入れたものだと思っているのだ。

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