身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
一番に向かったのはダイさんの店だった。
彼女が来ていないか。
血相を変えて現れた俺の様子に、ダイさんは驚き状況が掴めず呆然としていた。
そもそも、約束していたのは昨日だったのに、その翌日に現れて彼女を捜しているとは一夜を共にしたということくらい大人の思考なら辿り着く。
どういうことだと食い付くダイさんを上手いこと交わし、何があったかを話す条件でダイさんの車を借りた。
宿泊先のホテルに戻ったのだろうと、後を追うことにしたものの、恩納村のホテルというだけしか情報がなく、なんでホテル名を聞いておかなかったのかとまた自分を恨んだ。
とにかくそれらしいホテルを回っていき、チェックアウトをする客の中に彼女の姿を捜す。
しかし、昼過ぎになっても見つけることはできず、ホテルを捜すという方法は絶たれてしまった。
もちろん、ホテル側に訊いてみたところで、客の個人情報など開示してくれるわけもない。
残る手がかりは、羽田に飛ぶ国内線に彼女が乗るということ。
それも時間は聞いていなかったため、那覇空港でひたすら待つという最終手段をとった。
ここまで必死に彼女の行方を追ったのには訳がある。
それは、思わぬ事故を起こしていたからだった。