Pride one

「へえ、そうなんだ。優月くんも、神長くんと釣りに行ったりする？」

「んー、一回だけだね。神長ね、仲いいっちゃいいんだけど、こんなに頻繁に遊ぶようになったの、まきちゃんと知り合ってからだもん。俺も何気にあいつのことあんま知らないんだよなあ。実家横須賀なのに、横須賀で一人暮らししてるのとかも謎だし」

「でも僕も実家都内だし、一時間で行ける距離だけど一人暮らしだよ」
「え、そういうのって普通なの？」
　優月は寝転んだまま、坂巻の方に首だけ傾けた。

「どうだろう、でも結構いるんじゃないかなあ。仕事で遅かったり早かったりすると、一緒に暮らしてる人を振り回すし、神長くんもそういう理由があるかもよ」

「でもさあ、ひとりってなんか寂しくない？　俺のとこはさ、ずっと賑やかが当たり前だったからなのかなあ。今、俺のアパート会社から近いから、社員のみんながしょっちゅう泊まりに来るし、そのくらいで寂しくなくてちょうど良いっていうか」