【短完】家族妄想
アタシが小さい頃、ここ1年前まで遊ぶ時には必ず義姉は絵を描いてくれていた。1年前までは普通だったのに。
優しかった人は今、引きこもってしまっている。だけど嫌いになることは出来なかった。ただ、ちょびっとだけ、アタシのお母さんを心配させる義姉が憎いだけ。
成人をした義姉が、自身の食料以外にもう一人誰のものかも分からない分の食料を無断で冷蔵庫から持ち去っていることも。それを黙認している母も。ちょっとだけ。ほんの少しだけ疎ましい。ただそれだけの事。