【短完】家族妄想
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海夜side。
私の夢は、小さな頃から一つだけ。
それは幸せな家庭を築くこと。
病弱で入退院を繰り返す母と、その母の葬式にさえ来ないほどに、仕事にしか関心の無い父の背中を幼少期から見て育った私が、そんな夢を抱くのは当然と言えば当然のことだった。
だけどそれも今日までのこと。
愛しい我が子の手を握りしめる。よだれかけをかけさせて、スプーンで私が作った離乳食を我が子の口元に運ぶ。
ベチャベチャとこぼしているけれど、その姿さえ愛おしい。
「ふふ、いっぱい食べてね。」
声をかければにこりと笑った私の子供、虹乃(にじの)。
『ママのごはん、だいちゅき』
へへ、と笑って再び催促するように口を開く虹乃にご飯を持っていく。
虹乃は今、2歳になる。父親はいないけれどこの子の母親になれたことが私は幸せだ。
「もう、こんなにこぼして〜。」
『えへへ』
口元をティッシュで拭う。
海夜side。
私の夢は、小さな頃から一つだけ。
それは幸せな家庭を築くこと。
病弱で入退院を繰り返す母と、その母の葬式にさえ来ないほどに、仕事にしか関心の無い父の背中を幼少期から見て育った私が、そんな夢を抱くのは当然と言えば当然のことだった。
だけどそれも今日までのこと。
愛しい我が子の手を握りしめる。よだれかけをかけさせて、スプーンで私が作った離乳食を我が子の口元に運ぶ。
ベチャベチャとこぼしているけれど、その姿さえ愛おしい。
「ふふ、いっぱい食べてね。」
声をかければにこりと笑った私の子供、虹乃(にじの)。
『ママのごはん、だいちゅき』
へへ、と笑って再び催促するように口を開く虹乃にご飯を持っていく。
虹乃は今、2歳になる。父親はいないけれどこの子の母親になれたことが私は幸せだ。
「もう、こんなにこぼして〜。」
『えへへ』
口元をティッシュで拭う。