りんごのような甘い恋
 そのまま月日が流れ7月に入ったある日の朝の教室。
「1週間後、期末試験があるから、今日から部活休みなー。しっかり勉強していい成績取ってなー。もし、赤点とったら夏休み2週間学校で補習あるから自信ない人は特にがんばってねー」
 と、先生から嫌な情報が耳に入ってきた。
「「えー、やだー」」とまぁいつも通りのクラスの反応で、私もその一員だった。
前の席の優香が後ろを向いて
「しおりんー、今回もお願いします。」
すると、柴田君が
「冨永さんて、頭いいの?良かったら俺も混ぜてくんない?」
 そう言って私に頼んできた。
「もうしょうがないなー、私勉強になると厳しいよ?」
 と、少し笑顔に応えた。3人で話していたら
「その勉強会俺も入れてよ!」
 私は、その声がする方を見るとクラスメイトの(鈴木良)が立っていた。良は、人懐っこい性格で、クラスのムードメーカー的な立ち位置にいて、男女問わず人気者。同じバドミントン部所属で、去年の大会では、全国大会に出場していて、部のエース。私も彼にはバドミントンでは敵わないけど、いつか超えたいなと思っている。
「お、それなら勉強会やらない?その方が勉強教えやすいし、良がいれば助かるよー」
「いやいや、全然よ。俺も詩織と勉強ってなれば結構頑張れそうだし。それに俺、彼とあんまり喋ったことないから、いい機会だし、友達になりたいなと思ってねー。彼少し気になるんだよね。」
 良は柴田君の方を見て話していた。
良が柴田君に
「柴田君さ、バドミントンやってた?」
そういうと、柴田君は
「なに言ってんの?バドミントンとかやったことないよ?そんなことより、今は勉強会について話さない?」
 と、話を逸らして、それにつられるように
「そーだよ。なに言ってんの?詩織と良がいないと私赤点回避できないんだけど、とにかく、教えてください。時間がないんです。」
と優香が、必死に言ってきた。
「そーだね、今は期末前だから、勉強しないと!今週の土日しよーよ」
 私は、その時彼が何か隠しているとは思わず、勉強会のことを考えて、良がなぜそんな質問をしたのかとかは深く考えなかった。しかし、柴田くんは少し悲しい顔をしていたのだがその顔も気がつかなかった。
柴田君が、「土日の勉強会する所なかったら、うちでする?」と言ったので私たちは「是非」ということで、土日の勉強会は柴田君の家ですることになった。
そこで、物語が動き出す。
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