二択
○月某日。

すべてを終わらすことに決めました。

理由は、簡単です。

私は、生きていてはいけないからです。


ただ…それだけです。






一枚の遺書を残し…彼女は死んだ。

私は、彼女を救うことができなかった。

いや…もう出会った時、彼女は死へと向かっていたのかもしれない。


市内に大きな病院で、彼女を見掛けた時から。


私という存在は、ただ…偶然出会っただけの…意味のないものだったのかもしれない。





長谷川正流はため息とともに、かけていた眼鏡を外した。

そして、今回の物語を思い出していた。
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