二択
一向に治らずに、いろんな病気が出始めた戸川は、息切れが激しくなり、胃が激しく痛むようになった。

仕事にもいけなくなった彼女に、町医者が渡したのが安定剤だった。

戸川が安定剤を飲むと、安心して動けるようになった。

しかし、その代わり…幻覚を夜に見るようになった。

誰もいない部屋に、誰がいる。

叫び回ったり、泣き出す。

夜中は、さらに精神的に不安定になっていた。


服も着れない時があった。

そんな姿を見た岬は、町医者に行かないことをすすめた。

しかし、苦しい彼女は、いかなければ…息もできないと主張した。

安定剤を飲まないと、動けないと。


だったら、一度…違う病院にいこう。

岬は、戸川を説得した。

少しは心の中で、いつ治るのかと不安があった戸川は、渋々頷いた。


しかし、町医者に相談すると言った。
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