二択
まともな時もある。

しかし、ほとんどは理解できない。

別人格のようになった彼女を見て、

岬は町医者と話すことになった。


「変な薬や、注射をするのはやめてほしい」

「…」

「幻覚を見たり、訳わからないことを言ってるんだ」

「ご本人は、苦しいとおっしゃってますが」

「…だったら、それより弱い薬を」

「あなたは、薬でこうなったとおっしゃいますか?」

その時、町医者は笑っていた。

「神経性だと?だけど、データにはそんなことは出てませんよ」

その医者の言葉を聞いた瞬間、岬はその医者の本質を知った。

例え...患者が痛い苦しいと言っても、検査してデータに出なければ、悪くないのだ。

だから、少しでも、数値がおかしいと出たことしか治療できないのだ。

岬は、その医者と会話する価値がないと、電話を切った。
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