二択
陽子の真剣な忠告が効いたのか、翠自身は一切薬をやらないことを約束させた。
それから、数週間、幸せな生活は続いた。
雄太の麻薬のことは、あたし達3人しか知らないから、彼の性格の良さは周りで評判になっていった。
だけど、その落ち着きと穏やかさと優しさは、本当の雄太のものではなかったのだ。
雄太は今度捕まったら、そういう薬をやめさせられる為に、強制的に病院に収容されることになっていた。そして、入るとなかなか出れないことが確定していた。
だからこそ..雄太はやる量を制限していた。
そのことは、体には少し良かったが、翠との関係を壊すことになった。
薬が切れると、落ち着かなくなり、雄太は本来の性格を浮き彫りにした。
ショップ店員である翠は、もともと人付き合いは多い方だった。
だから、男友達から電話はよくあった。単なる電話であるけど....雄太とはその度に口論になった。
時には暴力を振るうこともあった。
殴られても、普段の雄太を知っている翠は、許していた。
今の彼が、おかしいのだ。
薬がキレた雄太こそが、おかしいのだと..。
そう思った翠は、雄太に薬を飲むことを、積極的に進めた。
飲むと、誰よりも優しくなり、穏やかになる。
(ああ…これこそが、あなたの本当の姿なのよ)
翠は、穏やかな雄太に抱かれながら、何度も心の中でそう思った。
「ごめんな..」
「いいの」
それだけで、翠は幸せだった。
しかし、そんなことは、長くは続かない。
それから、数週間、幸せな生活は続いた。
雄太の麻薬のことは、あたし達3人しか知らないから、彼の性格の良さは周りで評判になっていった。
だけど、その落ち着きと穏やかさと優しさは、本当の雄太のものではなかったのだ。
雄太は今度捕まったら、そういう薬をやめさせられる為に、強制的に病院に収容されることになっていた。そして、入るとなかなか出れないことが確定していた。
だからこそ..雄太はやる量を制限していた。
そのことは、体には少し良かったが、翠との関係を壊すことになった。
薬が切れると、落ち着かなくなり、雄太は本来の性格を浮き彫りにした。
ショップ店員である翠は、もともと人付き合いは多い方だった。
だから、男友達から電話はよくあった。単なる電話であるけど....雄太とはその度に口論になった。
時には暴力を振るうこともあった。
殴られても、普段の雄太を知っている翠は、許していた。
今の彼が、おかしいのだ。
薬がキレた雄太こそが、おかしいのだと..。
そう思った翠は、雄太に薬を飲むことを、積極的に進めた。
飲むと、誰よりも優しくなり、穏やかになる。
(ああ…これこそが、あなたの本当の姿なのよ)
翠は、穏やかな雄太に抱かれながら、何度も心の中でそう思った。
「ごめんな..」
「いいの」
それだけで、翠は幸せだった。
しかし、そんなことは、長くは続かない。