二択
ある日、仕事中…あたしは奈都子から呼び出しを受けた。


突然のことに驚いたけど、あたしは時間に余裕があったこともあり、

休憩時間を使い、奈都子が待つカフェに向かった。

そこにいたのは、奈都子と…その彼氏だった。

真面目で、誠実そうな彼氏を見て、綾が好きになりそうと思ったけど、

正直…奈都子には似合っていないように、第一印象は感じた。

そんな印象も、仲良さそうな2人の姿を見ると、次第に薄らいで来た。

休憩時間は短い為、すぐに職場に戻らうとするあたしに、彼氏は言った。

「これからも、奈都子のいい友達でいてやって下さい」

「は、はい」

どうして、そんなことを言われるのかわからなかったが、あたしは頷いた。


会社に戻る途中、奈都子からメールが来た。

『彼氏と会ったこと…綾には、言わないでね』

あたしも、綾とのことはわかっていたので、今のことを言う気にはなれなかった。

< 14 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop