二択

ほんの欠片

昨今増え続けている凶悪犯罪。

未解決事件が増え、検挙率が減っていく。

そんな状況を重く見た警察は、あることをし出す。

検挙率を上げる為、はたまた…警察のデータベースの資料を増やす為に、

軽犯罪の一斉検挙である。

有名なのが、大阪の電動自転車の検挙である。

ある日、あまり大々的に人々に報せることなく、始まったこの検挙は、昨日まで普通に乗っていた人々を…今日から無免許と呼び、捕まえた。


自転車の違反も突然厳しくなっている…。

知り合いがくれた自転車が、盗難車の場合…貰った者も罪に問われる。

指紋をとられ、写真を写される。

その時、警察はこう言う。

「本当は…控訴になるはずですが…大した罪でないので、今取った資料は…警察以外には、漏れない。前科もつかないと」


まあ〜貰った自転車を確認しなかったのは、悪いが…それが拘束される理由になるのだろうか。


あまりにも行き過ぎだと思い、弁護士に相談したとしても、控訴されていない場合…裁判にかけることができない。 事件になっていない。警察で止まるからだ。

つまり、警察を訴えることができないのだ。




普通の日常を過ごしていた…河東は、ある日…警察に止められた。

ラッパーに憧れる彼の格好は…確かに、目立ってはいたが…。

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