二択
すべてが終わり...最初の部屋に戻った河東は、見知らぬ男に会う。

「大変だったね」

席に着き、河東を見上げたのは...幾多だった。

「わざわざ..来てくれたんだぞ」

警官に促され、幾多の隣に座る河東。

後は、河東と身元保証人である幾多が、書類にサインをするだけだ。

幾多は、前に座る警官にきいた。

「この子が持っていたものを、見せてくれますか?」

「....これです」

警官は、ビニール袋に入ったキーホルダーを見せた。

「これですか」

幾多は手を伸ばさず、顔を近づけると、ニヤリと笑った。

「こんなもので....」

そして、立ち上がると、

「警察は、本物を知らないようですね」

幾多は腕を警官に向けた。

何のない手の袖口から飛び出してきた刃が、警官の額に突き刺さった。

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