二択

選択なき選択

「ヒイイ!」

混乱の中、パニックになっていた河東に、幾多は近付いた。

「君には、選択権がある」

幾多は、机の上で頭を抱えている河東に、銃口を自分に向けてから…銃を差し出した。

「僕とは無関係と主張し…このまま日常に戻るか?それとも」

幾多の言葉に、恐る恐る顔を上げた河東は、銃口を睨みながら、

「無関係と言って、警察は信じてくれますか?」

幾多にきいた。

「さあ〜。気分次第じゃないかな?」

幾多は笑った。

「だったら…」

立ち上がった河東は、幾多から銃を受け取った。

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