二択
友達のリクエストや期待にこたえる為に、結花理は服や鞄を変えまくった。


とうとう…買うことができなくなり、昔買った服を来て、学校に行った時、

結花理は信じられない言葉をきいた。

少し遅れて、教室に入ろうとした結花理の耳に、

『やっぱさ〜!どんなブランド身に付けてもさ。結花理じゃ〜あ、似合わなくない?』

『そうそう!豚に真珠ってやつ』

『金なかったら、相手になんかしないってな』


ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


教室に笑い声が、響き渡る前に、結花理はその場から走り出していた。




「どうして…あたしは、お金しか価値がない人間なんですか?あたしは…友達だと思っていたのに…」

泣き崩れる結花理から、長谷川は視線を逸らすと、言い放った。

「彼女達は、友達ではありませんよ。それに、あなたも彼女達を友達とは思っていませんよ」

「え?」

長谷川は、結花理に顔を向け、

「友達だと思っていたら、どうしてその場で言い返さなかったんだ!あなたも、彼女達を金で買っていたんだ!」

長谷川は、結花理に詰め寄り、

「あなたは、人の接し方がわからないと言った!それは、誰もがそうだ!だから、他人を知るために、気を使い、言葉を選び、真剣に向き合い、相手のことを考える!その繰り返しが、人の接し方で…その中で、気の合う者が、友達や仲間になる!その関係の中で、お金は関係ない!物は、関係ない!」

「あ、あたしは…」

震えだす結花理の肩に、長谷川は手を置き、

「先程の理由を言いましょう。未来が好きな理由を…」

長谷川は、結花理に微笑みかけ、

「未来は、自分の好きにできるからです。今苦しくて、辛くても…明るい未来に、幸せにできます。それが、未来なのです。過去や、現実は変わらないけど、未来は変えられるのです。自らの意志で」



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