二択
「私は…妻を傷つけることを選んでしまった」


佐山は、長谷川の言葉に気づかなかった。

「包丁を持った時…私は、どうして、自分を刺すことを選ばなかったのか!どうしてだあ!」


絶叫する佐山の腕を、

長谷川は身を乗りだし、掴んだ。


「それを、選んだなら!あなたは、ただの馬鹿だった!」


長谷川は佐山の腕を握り締め、

「あなたの奥さんは、生きている!そして、自分で刺したと主張している!」


「え」



「今、あなたがやるべきことは…選んでしまったことを悔やむより、これからを…2人で選ぶことだ!」

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