【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
Chapter ❷
翌日のお昼休憩、あたしは勤務するJubileeが入るショッピングモールの屋上で、昨日とは打って変わって贅沢なランチタイムを過ごしていた。
ベリーヒルズビレッジの広大なエリアに三フロアからなるショッピングモールは、屋上にも「日本の古き良き文化を世界に発信する」というコンセプトが徹底されていて、本格的な日本庭園があった。
腕利きの庭師によってつくられたという美しい庭園の中には予約制で利用できる茶室があり、聞くところによると海外のVIPを招いたお茶会やお見合いの席としても利用されているらしい。
そんな庭園を愛でながら、お弁当を食べたりお茶を飲んだりできるオープンテラスに、あたしはいた。木をふんだんに使った落ち着いた雰囲気のその和テラスだ。
下の階のテナントに入っている銀座の老舗天ぷら店の出店で買ってきた「天むす弁当」をテーブルの上に置く。
いつものコンビニ弁当とは、千円ほどの開きがある。
——せっかく宝くじが当たったんだもん。
このくらいの贅沢、いいよね?
平日の昼下がり、人通りはそれほどでもない。
周囲にはベビーカーを押すお母さんや「女子会」でランチ後の「女子たち」や定年退職したあとだと思われる年輩の男性などが見える。
——家を出るにしても、どこに住もうかな?