【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します！（原題：宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります！）

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「……中谷さん、突然、申し訳ありません。
昨日お会いしたばかりだというのに、しかもこんな営業時間外にお邪魔してしまって……」

あれからあたしは速攻で、中谷氏からもらった名刺に手書きされていた携帯番号にかけた。

——結局のところ、中谷さんくらいしか「相談」できる人、いないもんね……

なんだか昨日以来、一気に「孤独」になったような気がする。
迂闊なことをしゃべれば「知られてしまうかもしれない」と思うと、職場内はもちろん友人たちにさえ、うかうか世間話をすることすら怖くなってしまったのだ。


そして今、ベリーヒルズビレッジ・オフィスビル四十七階にあるあさひJPN銀行のオフィスにいる。

申し訳ないことに、中谷氏はあたしの勤務時間後に合わせて時間を取ってくれた。
彼にとっては残業だ。役職に就いているから残業手当もないだろうに。

「いいんですよ。こちらこそ、ご連絡いただき光栄です。なんでもご用命を承りますよ」

中谷氏は昨日と同じく穏やかに微笑みながら、

「部下の女子社員が帰ってしまったので……」

そう言って、自らお茶を淹れてあたしを迎えてくれた。