【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)

「小林さま、そちらの窓からテラスに出られて、外の景色をごらんください」

大橋氏に言われて、あたしは窓際へと進んだ。

広々と張り出したテラコッタタイルの床のテラスに降り立ち(BBQパーティが余裕で開けそうなほどの広さだった!)突端まで行く。

すると、旧皇族の御名を冠した公園の、青々とした樹々の緑が目に飛び込んできた。

「……うわぁ……」

「こちらの棟にお住まいの方の『特権』ですね。『借景』ではありますが、このように四季折々の風景がお楽しみいただけますよ。
それに、都が所有する公園ですからね。
ある日突然、ビルが建てられることになった、ということは半永久的にありません」

——あぁ……住みたい!
ここに住みたいっ!

あたしはほかの部屋を見ることなく、すでに(とりこ)になっていた。


「あ、あの……」

あたしはおずおずと口を開いた。

「こちらの物件……お値段は……?」

最上階ではないから、買える範囲のお値段だとは思うんだけど……

「あ、失礼しました。まだ申し上げていませんでしたね」

そして、大橋氏はこの物件の価格を告げた。


「四億八千万円でございます」

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