【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
一般的に、分譲マンションを購入するにあたっては、必ず区分所有者たちがつくる管理組合に入らなければならない。
マンションのような集合住宅に住むということは、たとえ一人暮らしだとしても「一人」で住んでいるわけではない。
エントランスやエレベーターなど共用部分と呼ばれるみんなで使う設備に関わる細々としたことはもちろん、十数年に一度の大規模修繕に関することなども、住人たちで話し合い取り決めなければならない。
管理組合はそのための組織である。
あのレジデンスの管理組合には「不文律の約束事」があった。
それは、なんと……「『既婚者』でないと、管理組合に入れない」というものだ。
どんなにお金を持っている人であっても、どういうわけか——いや大橋氏によると、管理組合に名を連ねるわが国の政財界の中枢に関わる錚々たる方々によって、というのだが——独り身だと知れると管理組合から強硬に拒否されて、その挙げ句、購入できなくなるというところまで追い込まれてしまうらしい。
明らかにそれは、私有財産制や居住・移転の自由に反し、わが国においては重大な憲法違反である。
にもかかわらず、今までずーっと頑なに遵守されているそうだ。