【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
例えば、自信の持てない「ご容姿」だとか。
どうも、「お公家サマの末裔」なんて聞くと……
引眉にすーっと糸を引いたような一重の目、そしてふっくらと下膨れたご尊顔で、扇子を開いたり閉じたりしながら「麿は〜」とか「〜でおじゃる」とか宣うお姿が、ついあたしの心に浮かんできてしまうんですけれども。
また、御身もふくよかな上に昔ながらの「日本人体型」なのかもしれない。
要するに、胴体の長さに見合うほどの手足の長さが確保されていない、ということだ。
さらに、もしかして三〇半ばにして、すでに「ご頭髪」がお寂しい状態になっていたりなんかして?
だとしても……
たとえ、チ◯ハ◯デ◯であったとしても……
もし、性格が穏やかで、やさしい人だったら……
——ダメだ。
だって、『結婚して「妻」となった人から経済的に依存されるのは困る』だなんて、おっしゃる人だもの。
せめてもの頼みの綱である性格の方だって、なんだか自尊心の塊なような気がしてならない。
——しかし、これはすべて「あたしの想像」だ。
そうだ、百聞は一見にしかず、である。
『あの……その、万里小路さまのお写真とかはないのでしょうか?』
あたしは大橋氏に尋ねてみた。