【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
Chapter ❹
後日、あたしはオフィスビルのライフスペースゾーン二階にある大橋不動産を訪ね、大橋氏に「報告」した。
「ということは……小林さま、ご結婚、おめでとうございます?」
初めて会ったときからずっと、淡々と業務を遂行していた彼であったが、いきなり挙動不審となった。そのうえ、カタコトの日本語だ。
——しかも、語尾が疑問形になってるし。
「はい、ありがとうございます」
あたしは丁寧にお辞儀をした。
「あの……万里小路さまとはまだ一度もお会いになってませんが……本当によろしいのですか?」
——あたしの記憶が正しければ、確かあなたが持ってきたお話でしたよね?
「はい、『よろしいのです』」
あたしはきっばりと返した。
「あちらさえ、こんなあたしなんかでよければ」