【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
「お仕事でいろんな方のアドバイスをなさってはいるでしょうが、ご自分ではどんなものがお好みなんですか?」
お客様に対しては、あくまでもその方の指はもちろん、その方の持つ全体的な雰囲気に合わせてお勧めするようにしているから、自分自身の好みなんて度外視だ。
「そうですね……
わたくしはイエローベースの肌でオータムタイプのパーソナルカラーなので、本来は金のアクセサリーが似合うのですが、ダイヤモンドのついたリングですと、ダイヤの真っ白な輝きがアームの金に反射して黄味がかって見えてしまうのです。
ですので、もしダイヤ付きのリングであればプラチナがいいと思っておりました」
あたしは右手のピンキーリングを見た。
誕生石の柘榴色ガーネットが瞬いている。
久城 礼子デザインの「Birthstone」シリーズで、アームはゴールドだ。
確かにイエローベースだから黄味がかった肌であることに違いはないが、色白な方なのでプラチナにしても似合わないということはないと思うのだが。
「……へぇ……そうなんですか……」
てっきり、リングのことだとばかり思ったが、
「小林さまはお仕事のときは『わたくし』とおっしゃるんですね?」