【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
「えっ、でも……今、店舗にあるリングの中ではダイヤのグレードの高いものをご用意したんですけれども……」
「私はダイヤモンドの品質に関してはわかりませんが……これらは一カラット以上ありますか?」
よく誤解されるのだが、カラットは大きさの単位でなく質量の単位である。
そして、一カラットは二〇〇ミリグラムと決められている。
——うーん、銀座の本店なら、一カラット以上もあるでしょうけれど……
そう思いつつも、それぞれのリングにつけられた札を見ていく。
「……そうですね……一番重いものでも……〇.九キャラの前半ですね……」
「ダイヤモンドを交換することはできないんですか?」
Vinculaの台座に、気に入った裸石を乗せ替えることは、もちろん可能だ。
だけど——
それだと、made to orderになってしまうから、金額が……
そうでなくても一キャラを超えると、信じられないくらい値段が跳ね上がるのだ。
「戸惑われるお気持ちはよくわかりますが、富裕層のパーティではやはり一カラット以上のものをお召しにならないと、あなたのご主人が恥ずかしい思いをしますよ?」