【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
「お待たせしました。それでは、こちらのご当籤にあたっての手続きに関する書類にご記入ください。こちらのアンケートにもご協力をお願いします」
わたしはあわてて姿勢を正した。
そして、中谷氏から言われるがままに書類に記入し捺印する、を繰り返す。
「それから、ご当籤者の中にはどうしても当日ご当籤金をお持ち帰りになりたいとおっしゃる方がいらっしゃいますが、高額のご当籤金の場合、万全を期すためにも当行にお持ちの預金口座にお振り込みさせていただく方法となります。
さらに誠に勝手ながら、諸般の手続き上、早くても一週間後のご入金でございます。
どうしても現金で、ということでしたならば、明日以降にはなりますが、一億円単位でパック詰めにしております『一億円パック』でのお渡しとなります。こちらは一つが横三十八センチ・縦三十二センチ・高さ十センチほどございまして、重さが約十キログラムになります。
小林さまの場合、それが十億円分でございますので……」
「口座に振り込んでくださって結構です」
——いや、むしろ振り込んでください。
百キログラムなんて、とても持てないし。
「ありがとうございます」
中谷氏は恭しくお辞儀する。
わたしも釣られてお辞儀した。
そして、今度は振込に関する書類に記入し、銀行印を押す。(なんとなく、いつも持ち歩いていて助かった。)
「……はい、これで手続きは終了です」
——あぁ、やっと終わったぁー!
と、思ったのも束の間で……
「では、次にこちらの方の説明をいたしますね」