【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)
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その後Jubilee本社の協力を得て、婚約指輪(エンゲージ)結婚指輪(マリッジ)の発注を終えたあたしは、オフィスビルにある大橋氏の勤務する大橋不動産を訪れた。

「えっと……これが、その……請求書なんですけど……」

あたしはどうにもいたたまれない気持ちで、手にした封筒を差し出した。

万里小路(までのこうじ)さまより、中を(あらた)めるよう申しつけられていますので拝見しますね」

受け取った大橋氏がペーパーナイフで封を切る。

——ひいいぃ、大橋さんがあの金額を見るのっ?
絶対に「こいつ、どんだけカネかけてやがんだよ⁉︎」って思われるっ!


この件に関しては、河上店長が本社と掛け合って腕まくりでがんばった。

さらに、なんでもつい最近、超大口のお得意様がブライダルリングをmade to orderで求めたらしく、なんと鮫島社長自らインドのムンバイへ出向いて最高級のダイヤモンドの裸石(ルース)をいくつか買い付けてきたそうだ。

なので、ものすごーくラッキーなことに「在庫」があった。


というわけで……

あたしのエンゲージリングは、一カラット(キャラ)以上(アップ)のDカラー、カットは表面(ポリッシュ)対称性(シンメトリー)全体像(プロポーション)がすべてExcellentである3EX(トリプルエクセレント)、クラリティはVVS1というグレードとなった。

クラリティだけは最上位ではなく上から三番目のVVS1に「妥協」したが、それでもごくわずかな内包物(インクルージョン)しかないため、たとえ十倍に拡大したルーペでも見つけるのは難しい。肉眼で見えることはないだろう。

当然のことながら、お値段の方も「最高級」となってしまった。


——ひいいいぃっ、どう見ても、あたしなんかの()庶民の指には似合うはずのない代物なんですけれども……っ⁉︎

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