【コミカライズ】宝くじに当たってセレブな街で契約結婚します!(原題:宝くじに当たってベリーヒルズビレッジの住人になります!)

中谷氏がローテーブルに一冊の冊子を置いた。

「……『【その日】から読む本 〜突然の幸福に戸惑わないために〜』?」

わたしはその冊子のタイトルをつぶやいた。

「宝くじの販売に携わる側の人間が申し上げるのは、いささか矛盾も禁じ得ませんが……」

中谷氏はそう前置きしたうえで、

「高額当籤なさったことが、これからの小林さまの人生において、必ずしも『幸運』であるとは限らないのです。
つまり……それだけ高額当籤によって、それからの人生を歪ませてしまった方が多いということです」

きっぱりと告げた。

「こちらの冊子は、そのような方たちをこれ以上生み出さないために、弁護士・臨床心理士やファイナンシャルプランナーなど専門家のご協力をいただいて作成し、二〇〇一年より一千万円以上の高額当籤された方々に配布しております」

わたしはそれを手にとって、ぱらりとページを(めく)った。

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