はなうらない
なんだかんだ私と籾野さんと有明で一緒に飲むことが多くなった。しかもこの人たち、私の家までわざわざ来るようになった。
「一軒家!?」
「本社勤務ってもしかして給料変わんの?」
最初の二人の驚き様が懐かしいほどに、この家に馴染んでいる。
職場からも遠ければ二人の家からも遠いだろうに。
「え? どこの送別会」
「いや、本社勤務の話ですよ」
「んなのくるわけねーじゃん、一回断ってんのに」
缶ビールを開けて均等にグラスに注いでいく有明。場所代と称していつもコンビニやスーパーで飲み物食べ物を買ってくる。