はなうらない
今度何か美味しいものでも贈ろうと決めて、仕事に戻った。
「あれ、帰ってない」
「帰りません。まだ終わってない仕事山ほどあるんで」
「頭フワフワは戻ったか」
「戻りました……してる場合じゃなかったです」
有明がこちらを見ずに、ふーん、と頷いた。
「ま、体調悪いなら早く寝なよ」
「……ありがとうございます」
今までにない優しい言葉をかけてくる有明に、少し涙が出そうになる。
頭が混乱している今だからこそ。
「俺、まじで風邪かかりやすいから移さないで」
「……今の感謝をかえしてください」