はなうらない
くだらないはなし
通勤経路にある朝顔のカーテンを横目に、電車に乗る。満員電車も辛いけれど、暑い夏も辛い。
昔、花占いが好きだった。道端に咲くひまわりの花弁を数え、好き、きらい、となぞる。
「おはようございます。今日も暑いですね」
隣の席についた後輩、栃葉が息を吐く。
手に持っていた何かを顔に当てている。
「扇風機……?」
「今首にかけるのも出てますよね。こっちは旧型なんですけど」
「首にかけるの……? 扇風機を……?」
「そうです、首に」
首にかけて、どうやって涼しくなるのだろうと考える。