はなうらない
きっと同じくらいの家事歴だと思うのに、その完璧さに目眩がするほどだ。
「脱サラして家事代行サービスでもしたらどうですか?」
「俺に経営の素質は無いですよ。あ、正武さんが雇ってくれるなら一生働きます」
「それは私の自尊心が崩れそうなので遠慮します」
あと私の家事力も落ちてしまいそう。
「今日の夕飯は何が良いですか?」
「んー、鮭のフライが食べたいです」
和食百科をペラペラと捲っている姿が様になる。
結構気に入っているらしい。
でもきっと、二週間なんてあっという間だ。
シャワーノズルの持ち手を掴む。水が出て、ちょうど虹を描いた。