はなうらない

きっと同じくらいの家事歴だと思うのに、その完璧さに目眩がするほどだ。

「脱サラして家事代行サービスでもしたらどうですか?」
「俺に経営の素質は無いですよ。あ、正武さんが雇ってくれるなら一生働きます」
「それは私の自尊心が崩れそうなので遠慮します」

あと私の家事力も落ちてしまいそう。

「今日の夕飯は何が良いですか?」
「んー、鮭のフライが食べたいです」

和食百科をペラペラと捲っている姿が様になる。
結構気に入っているらしい。

でもきっと、二週間なんてあっという間だ。

シャワーノズルの持ち手を掴む。水が出て、ちょうど虹を描いた。

< 163 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop