はなうらない
心配するなと言った得意げな顔。
でも、私が心配しているのはそこじゃない。
「あの二人、私の同僚です」
「有明さんは同期ですよね。前に、正武さんに電話をかけてきていた」
ピシ、と空気が一瞬だけ凍った。
後ろで足音がして、振り向く。
「何か手伝いますか?」
有明が顔を出す。
「じゃあこの浅漬を持っていってもらえますか?」
八橋さんは家主のように皿に持った浅漬を渡した。
「家事代行サービスで来てます。八橋です」
同僚の二人に自己紹介をされて返した八橋さんの返答。
口に含んだビールを噴き出すところだった。