はなうらない

確かに家事代行はしてくれているけれども。

ちら、と有明を見る。へー、と感心した様子。妙に鋭いので、バレないか心配。

「結構長く居られるんですか? 慣れてらっしゃいますよね。台所とか」

思わぬところから矢が飛んでくる。

籾野さんは炭酸で割った梅酒を持ちながらにこにこ笑っていた。

「一週間お試しキャンペーンで来てます」

笑顔で八橋さんもそれに返す。
私は動悸を誤魔化す為に、ビールを呷る。

「八橋さんも良かったら飲みましょう!」
「いえ……」
「飲んでください。私が買ったお酒では無いですけど」

おつまみは殆ど八橋さんの作ったものだ。

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