はなうらない

携帯のバイブ音に気付いて、ポケットから出す。麦前からかも、と頭の中で予想していた。

旅行の計画、まだ全然出来てないし。
そもそも八橋さんが来ていることも言えていない。

有明も職場で八橋さんの話題を出すことはなく、本当に知っていたのか知らないのか、よく分からない。

液晶画面に出た名前は、蔵馬さんだった。

予想外で、何かあったのかなとすぐに電話に出る。

「もしもし、お疲れ様です」
『芹ちゃん久しぶりー』
「お久しぶりです」

私が異動になる連絡を入れて以来だ。支社にいれば蔵馬さんとの仕事は必然と減った。

< 176 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop