はなうらない
相手も同じだったのだろう、こちらを見て手を上げる。八橋さんはちょっと笑った。
「お疲れ様」
「おつかれさまです。え、今からお昼ですか?」
「今日立て込んでまして」
「人事は大変だ……いや、こっちも大変」
七階が既に押されている。このエレベーター、哀しいことに七階までしか降りられない。
「なんかあったんですか?」
「蔵馬さんがアポなしでやってきました」
「うわ……」
八橋さんが明らかに嫌そうな顔をする。珍しいことだ。
ちなみに蔵馬さん、この八橋さんと遠い親戚にあたる。