はなうらない

「じゃあ出発します」
「はい」

静かな返事が聞こえた。

私は一瞬だけ、早く今日が終わってほしいと願った。






田んぼの緑が美しい。
太陽の光を浴びて真っ直ぐ伸びている。時折風が吹くと一斉に同じ方向へ戦ぐ。

山道に入り、暗いトンネルを抜けたその先。

「す、ごい」

静かだった八橋さんが窓に張り付いた。

黄色の花びらが目立つ。こちらを見るように向日葵が咲き誇っていた。

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