はなうらない
祖母がいくつか教えてくれたけれど全然覚えていない。
「あと正武さんっぽい」
「……そんなオマケみたいに」
「どちらかというとそっちが本体ですよ」
「そういえば、あれ嘘です。彼氏がいるっていうの」
「えっ」
「え?」
何か落としたのかと八橋さんの方を見る。同じようにして、驚いた顔をこちらに向けていた。
二人して顔を見合わせて数秒。
「何で嘘を」
「え、ああ……けろっと訊いてきた八橋さんにむかついて……」
おにぎりにかぶりつく。具は昆布と、昨日の夜に焼いた鮭。
八橋は暫く止まって、動いた。