はなうらない
待合ベンチに座り、その横顔を見る。
「まずこの足で携帯買いに行きます」
「そうしてください。あ、連絡先」
「この二週間で覚えました」
何かあったら電話してください、と私の連絡先を書いたメモを渡していた。
ピラ、と指に挟んでいる。
ガキの使いか、と有明さんが知ったら言いそうだけれど。
八橋さんって何でもスマートにこなすけれど、どこか危ないイメージが拭えない。
ふらりとこんな所まで身一つで来てしまうし。
でもあっちに戻ったら、仕事の出来る人に戻るのだろう。
「嫌になったらいつでも言ってくださいね」