はなうらない
涙も止まった。
「あんなにアドバイスしてくれてたのに。じゃあ私の婚活がうまくいかなかったのは八橋さんの所為ですか?」
「そう言っても過言ではないですね、きっと」
「なんて男」
「そうです、俺最低なんです」
あはは、と笑っている。私が泣いていたのがアホらしい。
「すいません、泣いてる正武さんが可愛くてつい」
「もういいです。今うまくいってるので」
「俺も、願い続けなくて良いと思うとほっとします」
ホームに人が並び始める。もうすぐ八橋さんの来る電車が来る時間だ。
八橋さんはあっさりと立ち上がり、私から手を離した。