はなうらない
私ばかりがチェックするのもどうかと思って、ランダムに、その時手が空いてそうな人に私のチェックも任せることにしていた。
「誤字と表の抜け漏れがあった」
「確認ありがとうございます」
「てことで、俺のもお願いしまーす」
どさ、と置かれた紙束。仕返しか、という量だ。
有明は満足気な顔をしている。
「あ、正武さん、コーヒー飲みますか?」
「お願いします」
近くを通った籾野さんが一緒にコーヒーを淹れてくれた。
「次の企画の会議、三時からだって」
「了解です」
「そういえば、家事代行の八橋さん、まだ来てんの?」