はなうらない

有明の質問に、卓状カレンダーへと視線を向ける。

「今日も来ます、けど。どうして?」
「また会いたいなーと思って。本社の人間の弱みとか知ってそうじゃん」
「何を……訊くつもりですか?」
「働きやすくするための改革でも話そうかなって」

この会社で革命でも起こす気だろうか。
これだけ本社を嫌いでも、退職しないのが不思議。
一方、特に業務上の問題も持たない八橋さんは辞めるのだから。

いや、ある意味有明にとって、それは原動力になっているのかもしれない。

籾野さんの淹れてくれたコーヒーを受け取ってお礼を言った。

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