はなうらない
まあ、そんな会話をしているところまできた相手の非常識を知ってしまっても、遅いのだけど。
「後継いだりすんの?」
「んー、どうだろう」
煮え切らない返事に、話題を変えたい表情の相手。
花に興味はないらしい。
「俺の友達、実家が個人経営のスーパーで、絶対継がないって言ってたけど、今社長やってんの」
「すごい、素質あったんだね」
「会社ではポンコツだったんだけど」
これは笑うところ。相手も安堵した顔をして、笑う。
「もしかしたら、芹ちゃんにも経営の才能があるかもじゃん」
「後継ぐってなったら、家族には一緒に来てもらわないと困るかな」