はなうらない
すみません、ありがとうございます、とそれも慌てた返事。
「落ち着いて、大丈夫だから」
私も資料の抜けを確認する。
「これ? 一番後ろにきてる」
「それです!」
現スライドの説明がちょうど終わりに差し掛かった。私は近くに置いてあったマイクをオンにして、割って入った。
「次の資料は15ページに挟んであります、捲って貰えると幸いです」
「お、本当だ」
一番最初に気づいた上司が、今気づきましたと言わんばかりにページを捲る。そういうフォローがあるだけでも、焦っているときは気持ちが違うものだ。