はなうらない

嘘だろうと思っていたら、当時の部長が怒るを通り越して呆然とした、と付け加えてきたので私も身を震わせてしまった。

「それは……」
「何事にも上には上がいるってこと」
「ちょっと違うとは思いますが」
「だから、もし栃葉が誰かの上司になったら、ちゃんとフォローしてあげるんだよ。三階分くらいは走る覚悟でいること」

私は結構それは信念に持っているところがある。命を張れとまではいかないけれど、大丈夫だと誰かに言える人間でありたい。

やっと栃葉はふふ、と笑った。

「はい、わかりました」

ちょうどカレーがきた。



フロアに戻り、飲み物を買おうと自販機まで行った。

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