はなうらない
昼食を取って、喫茶店を出る。まだ時間がある。
近くの公園を通って、広場の隅にあるベンチに腰掛けた。
噴水の音が聞こえる。
あ、もう、戻りたくないかも……。
自分の席に戻っても味方がいないことに不安を覚える。
愚痴を言える相手もいないし、慰めてくれる人もいない。
寧ろ本社から来た人間なんだから、これくらい出来るだろくらいに思われているのでは。
じわじわと心の淵が濡れる。
携帯が震えて、ゆっくりとそれをポケットから出す。液晶画面に出たのは八橋さんだった。
……どうして。
出ようか迷ったのは、出たら絶対に泣き言を垂れると思ったからだ。